在庫管理や配送作業をする必要がないドロップシッピングは、手間やコストを抑えながら運営できるため、副業や個人事業に適したビジネスです。世界最大級のECサイトであるAliExpress(アリエクスプレス)は、低コストの商品を豊富に取り揃えていることから、仕入先として数多くのドロップシッパーが活用しています。
この記事では、AliExpressのメリットやドロップシッピングを始める方法を紹介します。成功させるコツも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
AliExpressとは

AliExpressは、世界最大のEC企業の1つ、Alibaba(アリババ)が運営するECモールであり、ドロップシッピングサプライヤーとしても機能しています。
仲介業者を挟まず販売しているほか、効率的な物流ネットワークを構築しているため、人件費や物流コストが安く、トレンド商品を低価格で見つけることができます。取り扱う商品は衣類やジュエリーから電子機器、インテリアまで多岐にわたり、商品数は1億点を超えます。
また、AliDrop(アリドロップ)などのドロップシッピングアプリを使うことで、購入者に商品を直送でき、在庫を抱えることなく商品の販売ができるため、多くのドロップシッパーが利用しています。
AliExpress経由のドロップシッピングの費用

AliExpressでのドロップシッピングは無料です。例えばSaleHoo(セールフー)は利用にあたって少なくとも月額9ドル、Spocket(スポケット)は月額39.99ドルかかります。AliExpressは世界中のドロップシッピングサプライヤーと比べても圧倒的に商品数が多い中、加えて費用をかけずに利用できる点が魅力的です。
費用を抑えながらビジネスを始めたい方にとって、AliExpressは優れたドロップシッピングサイトと言えるでしょう。
AliExpress経由のドロップシッピングのメリット

- 無料で始められる
- 商品数が多く、ニッチな商品やトレンド商品も多岐に渡る
- 1点から購入可能
- 中間マージンが発生しない
- 商品価格が安く、仕入れ値を抑えることができる
- 日本語表記にも対応している
- 世界中へ商品発送が可能
- プラットフォームの連携が豊富
AliExpressのメリットは、第一にその品揃えにあります。価格が安い商品が数多く揃っており、ドロップシッピングで売れるニッチ商品を簡単に探すことができます。また、仲介業者を挟んでいないため中間マージンが発生しない、無料でドロップシッピングを始められるといったメリットもあり、コストを抑えながらドロップシッピングビジネスを始められます。日本語にも対応しているほか、さまざまなプラットフォームに連携ができたりと、運用のしやすさも魅力的です。
ShopifyでAliExpressドロップシッピングストアを開設する方法

1. 販売するAliExpressドロップシッピングの商品を選ぶ
まずは、販売するドロップシッピング商品を選びましょう。どこから始めればよいかわからない場合は、AliExpressのドロップシッピング専用ページで製品カテゴリを見ながら、自分が興味を持っているものや自信を持って販売できるものを考えてみてください。
次のポイントを考慮すると、品質と信頼性を兼ね備えた商品を選びやすくなります。
ブランド品、偽物、模倣品は避ける
ブランド商品の再販は避け、偽物や模倣品は誤って再販しないようにしましょう。ブランド商品の中には、自社が認可した正規店でしか販売を認めていないケースが少なくありません。ブランドとパートナー契約を結ばない限りは正規品の取り扱いにリスクが生じるため、再販は避けるべきです。また、偽物や模倣品の販売は法律で禁止されています。
ストアを安全に運営するためにも、これらの販売は避けることが重要です。
商品の評価とレビューを確認する
商品の評価とレビューをもとに、品質、サイズ、色合い、使用感を確認しましょう。実際に商品を手にとった顧客の意見は、品質の良し悪しを確認し、偽物や模倣品を避けるうえで大きく役立ちます。レビューをチェックする際は、次のポイントを押さえましょう。
- 最近の評価・レビュー:過去に比べて品質が落ちていないか、アップデートされていて品質が向上されているかを確認する
- ネガティブなレビュー:商品の欠陥や配送の懸念点など、欠点をチェックする
- 購入商品の写真付きレビュー:テキストのみの評価・レビューの場合はサクラの可能性がある

商品の販売数をチェックする
次に、目星をつけた商品の販売数を確認してみてください。販売数の多さは、品質がよく信頼できる商品かどうかを見極めるうえで有力な指標になります。ただ、単純に販売数が多いだけでは信用度に欠けるため、商品の評価・レビューなどを踏まえて、商品の優劣を総合的に判断する必要があるでしょう。
販売数は、商品レビューの横に記載されています。

無料配送のeパケット配送を選ぶ
無料のeパケット(中国EMS)配送を提供するドロップシッピング商品を選ぶこともおすすめです。AliExpressの製品リストの大半は中国または香港であるため、eパケット配送は経済的な配送手段と言えます。
販売者が有料のeパケット配送しか提供していない場合でも、AliExpressの商品を中国から南北アメリカやヨーロッパに配送するうえで、eパケット配送は費用対効果が高く、信頼性のある配送方法になる可能性が高いでしょう。
2. 信頼できるサプライヤーを選ぶ
販売したい商品が決まったら、サプライヤーを見つけます。優れた顧客体験を提供できるよう、商品情報が正確に記載されていて、迅速な商品配送に対応している、品質保証が充実しているサプライヤーを選びましょう。
また、利用したいサプライヤーがあったら、テスト注文を実施することをおすすめします。商品の品質、配送スピード、ショップの対応を実際に確認することで、安心してそのサプライヤーを利用できるかどうかを判断できます。
信頼性の高いAliExpressのサプライヤーを見極めるには、次のポイントを考慮してみてください。
評価が高いサプライヤーか
ショップ情報には、評価を示すパーセンテージが表示されます。少なくとも95%の満足度を達成しているサプライヤーと取引するようにしましょう。

商品ページのレビューをクリックし、「ストア」からショップにアクセスすると、フィードバックの内訳を確認できます。レビューの他にもサプライヤーがAliExpressでどのくらいの期間活動しているかも確認できます。ショップの運営経験が長く、配送に関する評価が高いサプライヤーを探しましょう。

オリジナルの写真を提供しているか
掲載されている写真が製造元のオリジナルの写真かどうかを確認しましょう。Google画像検索を使用すると、商品写真が転用されたものなのか、オリジナルの写真なのかを確認できます。
コミュニケーションは円滑か
注文を行う前に、サプライヤーにいくつか質問してみることで、円滑なコミュニケーションが可能かどうかを確認できます。返信がない、応答がないサプライヤーは注意が必要です。
3. Shopifyドロップシッピングストアを開設する
Shopify(ショッピファイ)でストアを開設します。ストアの設定方法は以下のとおりです。
- Shopify公式サイトにアクセスし、アカウントを作成する
- デザインテーマを設定する
- ECストアに必要な情報(特定商取引法など)を記載するページを作成する
- メニューを作成する
- 配送・決済関連を設定する
ストアを開設できたら、ドロップシッピングアプリと連携しておきましょう。たとえばAliDropなら、商品選びにも使用できるほか、商品のインポートや注文処理、在庫の同期が自動化でき、効率的な運営ができます。
4. AliExpressの商品をShopifyストアに追加する
Shopifyストアを設定し、商品カテゴリーとサプライヤーが決まったら、商品を追加しましょう。商品ページの作成時は、次のポイントを意識してみてください。
自分で商品説明を書く
商品説明を自分で書くことで、商品の特徴や機能を正確に伝えるだけでなく、購買意欲を高める効果があります。ターゲット層に「自分のための商品だ」と感じてもらえるような商品説明に仕上げ、コンバージョンを促しましょう。
プロセスを簡素化したい場合は、Shopify Magic(ショッピファイマジック)を活用することで、SEO対策に適した商品説明を簡単に生成できます。
顧客に配送時間を知らせる
商品ページ(またはストアの他の場所)に配送時間の目安を書くことをおすすめします。AliExpressサプライヤーの多くは中国にあるため、配送時間は平均より長くなる可能性があります。
無料配送の有無を明記する
AliExpressの販売者が無料または低コストの配送を提供している場合、顧客に宣伝しましょう。配送料が低いことは、競合との差別化につながります。商品ページで無料配送を宣伝して、コンバージョン率の向上を図りましょう。
適切な商品価格を設定する
商品の価格を卸売コストの約2倍に設定することをおすすめします。50%の利益率に設定することで、必要な経費をカバーしながら、ビジネスを運営するうえで十分な利益を確保できます。
AliExpressでドロップシッピング商品を注文する方法

ストアで商品の販売を始め、顧客から購入があったら、AliExpressで商品を注文しましょう。AliExpressのドロップシッピングでは、手動での注文処理と自動での注文処理の2つの対応方法があります。
手動での注文処理
購入のあった商品をAliExpressで手動で注文します。注文する際、配送先の情報欄には顧客の氏名や住所を入力します。商品の配送はサプライヤーが担当します。
手動で注文処理を行う場合、自社ストアで取り扱っている商品、商品の販売価格、AliExpressでの仕入れ価格、AliExpressの商品ページへのリンクなどをスプレッドシートやExcelに記録しておくことをおすすめします。こうしておくことで、顧客から購入があった際、AliExpressでサプライヤーを見つけやすくなり、価格変更があった場合も簡単に確認できます。
価格の高い商品を取り扱っている場合、手動で作業することでミスを防ぎ、正確に注文を処理できます。
自動での注文処理
AliDropを使用している場合、AliDropの管理画面からクリックするだけで注文内容をサプライヤーに送信できます。その後の処理はサプライヤーが担当します。
膨大な数の商品を簡単にAliExpressに注文することができるので、人的ミスのリスク削減や作業の効率化を図ることができます。
ドロップシッピングで気を付けるポイント

販売者にドロップシッピングであることを知らせる
AliExpressで商品を注文する際は、支払い時にドロップシッピング用の購入であること、そのためプロモーションや請求書は不要である旨を伝えます。こうすることで、サプライヤーは納品書やプロモーションを同封せずに、顧客に商品を配送してくれます。
配送状況を確認する
配送状況は必ず確認しましょう。万が一注文した商品が届かないことがあれば、信頼や評判の低下につながりかねません。次のような状況の場合は、商品が顧客に届かないおそれがあるため注意しましょう。
- 配送予定日から大幅に遅延している
- 配送途中で追跡が途絶えた
- 追跡情報が更新されない
- セラーからの連絡が不十分
商品が購入者に届かない理由は、商品が発送されていない、住所が間違っている、税関で止まっているなど、さまざまなケースが想定されます。配送状況に不安を感じた場合は迅速に追跡番号を利用して調べつつ、セラーに連絡して状況を確認しましょう。
返金・返品の対応を明確にする
顧客から返品・返金対応を求められた場合の対処方法を明確にしておきましょう。配送や商品に問題があった場合でも、顧客からの信頼を失うリスクを減らすことができるほか、余計な対応コストも削減できます。
次のようなケースは、AliExpressの購入者保護制度を利用して、返金・返品のリクエストを行うことができます。
- 商品が届かない
- 破損した商品が届いた
- 商品説明と異なる
この制度は「購入者保護」ラベルが付いているすべての商品に対して利用可能です。有効期限は商品の受け取りが確定された時点から15日間なので、期間内で適宜対応できるよう、注文状況を綿密に確認しましょう。
また、商品が期待外れだったという理由で顧客から返金を求められるケースに備えて、ストア独自の返品・返金ポリシーを設定しておくと、トラブルを未然に防ぐことができます。
AliExpressドロップシッピングビジネスを成功させるコツ

サプライヤーとの関係を構築する
信頼できるサプライヤーと良好な関係を構築することは、仕入れ価格の交渉や優先的な注文処理の確保など、自身のビジネスに有利な取引ができる機会をつくることにつながります。
同じサプライヤーから頻繁に注文する場合は、WeChat(ウィーチャット)などを使用して定期的にコミュニケーションを取り、信頼関係を築いておきましょう。リピート販売が可能であることを伝えると、商品にロゴを入れてもらえたり、オリジナルの納品書やノベルティを同封してもらえたりする可能性もあります。
マーケティングに注力する
優れたマーケティング戦略は、ストアへの集客、新規顧客やリピーター顧客の獲得、そして売上アップにとって欠かせません。次のようなECと相性のいいマーケティング戦略を積極的に取り入れて、商品の魅力を効果的に伝え、リーチ数を伸ばし、コンバージョン率の向上を目指しましょう。
顧客サポートを充実させる
手厚い顧客サポートは、自身のストアの差別化につながります。特に、競合が満足度の低いサービスやショッピング体験しか提供できていない場合、他のストアにはない信頼感を示すことができます。問い合わせには迅速に回答し、商品購入時に発生した問題には優先的に対応しましょう。こうした基本を徹底することで、カスタマーサービスの質を高め、顧客との信頼関係の構築を図ることができます。
まとめ
低価格で豊富な品揃えを誇るAliExpressは、無料で利用できるだけでなく、1点から購入可能できるといったメリットがあり、予算を抑えながらドロップシッピングビジネスを始めたい小規模事業者にぴったりのサプライヤーです。
また、Shopifyにストアを構築し、専用のドロップシッピングアプリと連携することで、注文処理を自動化できるのもメリットの1つです。
Shopifyでは3日間の無料体験を実施しています。この機会にぜひShopifyでドロップシッピングビジネスを始めましょう。
よくある質問
AliExpressでのドロップシッピングで売れる商品は?
- パーカー
- サンダル
- ボディソープ
- 制汗剤
- ハンドクリーム
- 韓国コスメ
- バランスボール
- ランニングシューズ
- 足つぼマッサージ機器
- マッサージ枕
- オーブントースター
- ブランケット
- おむつ
- ペット用おやつ
- テーブル
- 封筒
- スマホスタンド
- ドライブレコーダー
- スマートウォッチ
- Tシャツ
AliExpressでドロップシッピングビジネスを始める手順は?
- 自分に合ったドロップシッピングの市場や商品を選ぶ
- 信頼できるドロップシッピングサプライヤーを見つける
- オンラインストアを作成し、商品をインポートする
- ドロップシッピングビジネスを宣伝する
- 最初の注文を受け付けて、サプライヤーに商品を注文する
- 顧客にフォローアップして商品の到着を確認する
AliExpressが安い理由は?
AliExpressの商品が安い理由は、仲介業者を挟まず販売しているほか、効率的な物流ネットワークを構築しており、人件費や物流コストが抑えられているためです。
AliExpressからAmazonに商品をドロップシッピングする方法は?
- Shopifyを使ってオンラインストアを作成する
- AliExpressから在庫を調達するドロップシッピングアプリをストアに追加する
- AliExpressの商品をShopifyストアにインポートする
- Shopify Marketplace ConnectやCedCommerce Amazon ChannelをShopifyストアに追加する
- アプリを使用して、Shopify管理画面からAmazonリスティングを作成・管理する
Amazonでドロップシッピングビジネスを行う場合は、Amazonが定めるドロップシッピングポリシーに準拠した運営をする必要があります。ビジネスを開始する前にしっかりとポリシーを確認しましょう。
文:Ryutaro Yamauchi