メタディスクリプションとは、検索エンジンでページタイトルの下に表示される短い説明文を指します。ページの内容を簡潔に伝えるこの一文は、ユーザーがクリックするかどうかを決める大きな判断材料になり、結果的に検索順位にも影響してきます。
この記事では、メタディスクリプションの概要、SEOへの影響、書き方のコツ、具体例、SNSでの表示までわかりやすく解説します。
メタディスクリプションとは?

メタディスクリプションとは、そのウェブページにどんなコンテンツがあるかを要約して示すために、HTML内で使用される <meta name="description"> タグのことです。Google(グーグル)などの検索エンジンではウェブページ内のキーワードに関連した部分を、「スニペット(切り抜き)」としてタイトルとともに表示します。その際、メタディスクリプションが設定されていれば、優先して表示される仕組みとなっているため、ユーザーにとってそのページを読むべきかどうかの判断材料になります。
検索結果に表示されるメタディスクリプションの文字数には制限がありますが、明確な決まりは明かされていません。表示される文字数は使用するデバイスによって異なり、パソコンではおおよそ全角90〜120文字程度、スマートフォンでは70〜90文字程度が目安です。入りきらない場合は途中で省略され「…」で表示されます。そのため前半に重要な情報をかため、文字数内で要点を簡潔にまとめることが大切です。
メタディスクリプションは、HTML内の<meta name="description">タグ内に、下のように記述することで設定できます。
<meta name=”description” content=”ここにmeta descriptionを入力します” />
SEOにおけるメタディスクリプションの重要性

メタディスクリプションに入力したテキストは、検索順位を左右するアルゴリズムに直接影響を与えるわけではありませんが、検索結果をみたユーザーのクリック率(CTR)に大きく影響します。
魅力的なメタディスクリプションはユーザーの目を引き、クリックを促します。クリック率が上がれば、Googleなど検索エンジンの評価も高まり、検索順位の向上につながる可能性があります。メタディスクリプションは間接的ではありますが、SEO対策において重要な役割を果たしていると言えるのです。
そのため、メタディスクリプションを書く際は、SEOライティングの一環として、検索意図を踏まえた文章の作成が重要です。単なる要約ではなく、ユーザーの関心を引き、「探している答えがこのページにありそう」と思わせる文章になるよう意識しましょう。
Googleの検索結果でメタディスクリプションが反映されない原因

せっかくメタディスクリプションを設定しても、Google検索で結果に表示されないことがあります。これはエラーではなく、Googleが独自にページ内容を解析し、より適切だと判断したテキストを表示しているためです。
Googleによると説明文の部分は、検索ユーザーにとって検索内容との関連性が最も高い文章になるように設計されているといいます。つまり、自分が入力したメタディスクリプションはあくまで説明文に表示される候補のひとつにすぎないのです。
以下のような場合、GoogleはHTML内で設定したメタディスクリプションではなく、自動生成したテキストを表示することがあります。
- メタディスクリプションの内容がページの実際の内容と合っていない場合:メタディスクリプションがユーザーの検索意図に沿った文章になっていないと判断されると、Googleは別の部分をページから抜粋して表示します。
- キーワードが含まれていない・曖昧な場合: 検索キーワードと一致する文をGoogleが自動で選ぶ傾向があります。
- 文字数が長すぎたり短すぎたりする場合: 文章が長すぎる場合は省略されたり、適切な要約として認識されない可能性があります。
- 同じメタディスクリプションを複数のページで使い回している場合:重複コンテンツと判断され、無視されることがあります。
Googleにメタディスクリプションを正しく反映してもらうには、各ページごと、内容にあわせて、わかりやすく具体的な要約文を記述する必要があります。
メタディスクリプションが反映されたか確認する方法
- Googleで実際に検索して確認する:該当ページの想定キーワードで検索し、タイトルの下に表示されている文章をチェックします。
- site:コマンドでページを指定して検索する:「site:example.com/sample-page 」のように、該当ページのURLを「site:」の後ろに記述して検索すると、検索結果にそのページが表示されます。
メタディスクリプションの例
企業のホームページ
企業のホームページでは、どんなビジネスをしているか、どんな世界観でどんな価値を提供しているかを簡潔に伝えることが重要です。

Francfranc(フランフラン)の例では、まず「VALUE by DESIGN」というブランドスローガンから始まり、ブランドの理念を短く印象的に表現しています。さらに、「デザインによって毎日をより楽しく、より豊かに」という部分で、ブランドが目指すくらしのイメージ、つまり、ブランドの商品が実現する価値を伝えています。
また、「インテリア・雑貨」という言葉で取り扱っている商品ジャンルを明確にしており、検索ユーザーが「自分の検索内容に関係があるか」を判断しやすくなっています。商品ジャンルは検索キーワードとしても有力なので、検索結果で太字表示されれば視認性もアップします。
さらに、ブランド名とその読み方を繰り返している点もポイントです。ブランド名を強く印象づける効果があり、認知の促進にもつながります。
商品説明ページ
商品説明では、商品の機能や特徴、得られるベネフィットを短い文章でわかりやすく伝えることが大切です。あわせて、購入に対する安心材料や特典を添えることで、信頼感を高め、ユーザーのアクションを後押しすることができます。

上は、エマ・スリープの看板商品でもあるエマ・ピローの商品ページのメタディスクリプションです。「高さ調整可能」「3層ウレタン」「低反発×高サポート」など、商品のスペックを端的に含めており、さらに、「無重力のようなサポート感」など、使ったときの快適さを想像しやすい表現でユーザーの興味を引きつけています。
また、「洗えるカバー付き」「100日間の無料トライアル」といった安心材料が記載されていることで、初めての購入でも試しやすく、アクションを起こしやすい設計になっています。
カテゴリページ
カテゴリページのメタディスクリプションでは、そのカテゴリに含まれる商品が「誰に向いていて」「どんな場面で役立つのか」といった情報を、コンパクトな文章でわかりやすく伝えることが求められます。
カテゴリページは、似たような商品をまとめて紹介する役割を果たすため、検索ユーザーがざっくりと商品を探している段階で表示されることが多く、「レディースシューズ」や「メンズサンダル」など、検索ボリュームの大きなキーワードにヒットしやすい傾向があります。

上の土屋鞄のギフトカテゴリページでは、「通勤などに最適なビジネスバッグから、日常に寄り添うトートバッグやショルダーバッグまで」といった表現で、用途に応じた幅広い商品ラインアップがあることを伝えています。さらに、「上質なレザーバッグは性別や年齢を問わず長くご愛用いただけます」という一文によって、ギフトとしての安心感や、贈る相手を選ばない万能さも強調されています。
「ギフト」のようなシーン別のカテゴリは、ユーザーが贈り物を探している段階で検索するため、提案性や汎用性のある言葉選びが特に重要です。特定の商品を紹介するのではなく、カテゴリ全体の魅力や選びやすさを言葉にすることで、検索結果の中でも目を引きやすくなり、クリック率アップにもつながります。
ブログ投稿
ブログ記事のメタディスクリプションでは、その記事が「何について書かれているのか」だけでなく、「読むことで何が得られるのか」まで伝えることが重要です。検索ユーザーは、何かの疑問や悩みを解決したくて検索していることが多いため、そのニーズに対して「このページが役立ちます」と明確に示すことが、クリック率の向上につながります。具体的な数やメリットを提示し、読後のイメージを想起してもらえるようにすると、さらに選ばれやすくなります。

たとえば、上のShopify(ショッピファイ)の「稼げる副業22選(2025年版)」という記事では、「自宅や好きな場所で今日から始められる、稼げる副業のアイデアを紹介します」という一文で、行動のハードルが低いことと、実用的な内容であることを伝えています。続く「インターネットで副収入を得る方法を見つけましょう。」という呼びかけも、副収入が得られる副業を探していることが予測されるユーザーの検索意図に対して、前向きな答えを提示する役割を果たしています。
SNSでの共有を想定したメタディスクリプション
メタディスクリプションは、検索エンジンのためだけの要素ではありません。ページがSNSでシェアされたときにも、内容の一部として表示されることがあります。
Facebook(フェイスブック)やX(エックス、旧Twitter)、LINE(ライン)など多くのSNSは、URLがシェアされるとき、リンク先に設定されたOGPという専用のタグ(“og:description”などと記述)を読み取り、プレビューを表示します。しかし、このタグが設定されていない場合、代わりにメタディスクリプションの内容が表示されるケースがあるのです。
SNSでは特にタイトルや画像と並んで、短い説明文がクリックするかどうかを左右する要素になります。そのため、読み手の興味を引く言葉や、共感を呼ぶような言い回しを意識しながら、検索結果にもSNSにも対応できる汎用的なメタディスクリプションを心がけると安心です。
良いメタディスクリプションを書く6つの方法

1. 顧客の知りたいことに答える
メタディスクリプションを書くときは、ユーザーが検索したタイミングで、どんなことを知りたいと思っているかを意識することが大切です。まず、このページでは何のコンテンツや情報を提供しているのか、なぜユーザーはこのページを選ぶべきなのかを明確にしましょう。
また、マーケティングファネルのどの段階にいるかによって、求めている情報や関心の深さが変わるため、それに合わせたメッセージにすることも重要です。
たとえば、購入意欲の高いユーザーの関心を引きたい場合、「すぐに購入できる」「限定セール中」などの具体的な訴求が効果的です。一方、情報収集段階のユーザーには、「わかりやすい解説」「役立つヒント」など、安心して読める内容であることを伝えるとよいでしょう。
ブランドのトップページでは、ブランド紹介にとどまらず、「他と違う強み」や「どんな価値を提供しているのか」がわかるようにしましょう。
2. ユニークにする
メタディスクリプションはクリックを促すための文章ですが、ブランドの印象づけにも役立つ貴重なスペースです。ブランドのトーンや価値を伝える場として活用し、自社ならではの魅力であるUSPを明確に表現するよう心がけましょう。
特にトップページのメタディスクリプションは、ブランドの第一印象となる場合が多いです。短い言葉で自社を印象づける「エレベーターピッチ」のような役割を果たす文章でもあるため、ブランドガイドラインに沿ったトーンで最適な一文を見つけることが大切です。
また、他のページと同じメタディスクリプションを使い回すのは避けましょう。重複していると検索順位に悪影響を与えることがあるため、ページごとにオリジナルの文章を作ることが重要です。
3. 最適な文章量を保つ
表示される文字数はデバイスによって異なりますが、一般的にはパソコンでおおよそ全角90〜120文字程度、スマートフォンで70〜90文字程度が目安です。長すぎると省略され、伝えたい情報が途中で切れてしまうので、簡潔にまとめましょう。
4. ユーザーのアクションを誘発する
メタディスクリプションは、ただページの内容を説明するだけでなく、ユーザーの次のアクションを引き起こし、オーガニックトラフィックの増加にもつながる文章にしたほうが効果的です。たとえば、「もっと知りたい」「商品を見てみたい」「購入したい」といった気持ちを自然に引き出す工夫が求められます。
以下の2つの表現をバランスよく組み合わせると効果的です。
- アクションを促す表現:メリットや価値を伝え、ユーザーの関心を高めてクリックを誘導する
- アクションを直接呼びかける表現:「今すぐ購入」「詳細はこちら」など、具体的な行動を明確に促すCTA(コールトゥアクション)となるフレーズ
たとえば、「最新トレンドを今すぐチェック」などは、トレンドが見られるという価値を示しつつ、今すぐチェックという呼びかけでCTAとしても機能します。
一方、「すごい」「最高級」「感動的」といった抽象的な形容詞や、過剰な修飾語には注意が必要です。意味が曖昧な言葉はクリックをためらわせる原因にもなります。華やかさよりも、実際の価値や内容がリアルに伝わる表現を選びましょう。
メタディスクリプションの締めくくりに行動を促す一言を添えるだけで、クリック率が大きく変わることもあります。伝えたい情報を簡潔にまとめて、自然な流れでユーザーのアクションを誘発しましょう。
5. ターゲットキーワードを使用する
メタディスクリプションには、そのページで狙いたいキーワード(ターゲットキーワード)を自然に含めることが大切です。
Googleはメタディスクリプションを検索順位のランキング要因には使用していないと明言しています。キーワードを入れたからといって検索順位が上がるわけではありませんが、ターゲットキーワードを含めたほうが、ユーザーの目に留まりやすくなります。
検索ユーザーが入力したキーワードとディスクリプション内の語句が一致すると、検索結果上で太字で強調表示されます。この太字表示によって視認性が高まり、クリックされやすくなるため、間接的にクリック率を高め、結果としてSEOに良い影響を与える可能性があるのです。
ただし、キーワードを詰め込みすぎるのは逆効果です。たとえば、「レディースシューズ レディーススニーカー レディース靴 セール」などのように、同じキーワードを不自然に並べると、機械的で読みづらく、ブランドの印象も悪くなってしまいます。
自然な文脈の中でキーワードを取り入れ、読み手に違和感を与えない文章を意識しましょう。また、競合がどのようなキーワードを使っているかをチェックするのも、効果的なヒントになります。
6. メタディスクリプションジェネレーターは使用しない
多くのSEOツールには、自動でメタディスクリプションを生成してくれる機能(ジェネレーター)がついています。大量の商品ページなどを扱う大規模サイトでは便利な場合もありますが、自動生成された文は、機械的で味気ない表現になりがちです。
特に中小規模のブランドや個人のサイトでは、手書きでオリジナルのメタディスクリプションを書くことをおすすめします。トップページや看板商品のページなどでは、人の手で丁寧に書かれた文章のほうが、クリックされる確率が高まります。
また、質の低い定型文が多くなると、Googleが「ユーザーの検索意図を満たしていない」と判断し、メタディスクリプションを無視して要約を自動生成するケースも増えています。これは、Googleが検索ユーザーにとってよりふさわしい内容を提供しようとしているためです。
AIツールや自動生成ツールをアイデア出しや言い換えの参考として使うのはOKですが、最終的には人の手で、ページの内容に合わせたクリックされやすい文章を仕上げることが重要です。
まとめ
メタディスクリプションは、検索結果やSNSでの表示において、ユーザーに最初に届く言葉であるとも言えます。直接的に検索順位を左右する要素ではありませんが、魅力的な一文はクリック率を高め、結果的にSEOにも良い影響を与え、トラフィックの増加や購入率アップにつながります。また、SNSでのシェア時に表示される可能性もあるため、多用途に対応できる設計が求められます。ページごとの目的や読者を意識しながら、伝えたいことを明確にまとめた、わかりやすいメタディスクリプションを心がけましょう。
よくある質問
メタディスクリプションには何を書く?
メタディスクリプションには、そのページの内容を簡潔に伝える要約文を書きます。検索意図に応える情報やキーワード、行動を促す言葉を含めると、ユーザーの関心を引きやすくなります。
メタディスクリプションは検索結果にどう表示される?
メタディスクリプションは、検索結果でタイトルの下に表示されます。ただし、検索エンジンの判断によって、ページ本文から自動的に抜粋したテキストが表示されることもあります。
メタディスクリプションが検索結果に反映されない原因は?
検索エンジンがユーザーの検索意図に応じて、ページの本文から適切なスニペットを自動生成するためです。
Googleなどの検索エンジンは、必ずしも指定したメタディスクリプションをそのまま表示するとは限らず、検索意図と最も関連性が高い文章を提示するように設計されています。以下のような理由で、メタディスクリプションではない文章が表示されることがあります。
文:Taeko Adachi