ドロップシッピングでのアパレルビジネスを成功させるには、信頼できるサプライヤーを見つけることが重要です。顧客への商品梱包や発送を担ってもらうことから、サプライヤーの対応は、顧客のサービスに対する印象に大きな影響を与えます。そのため、信頼できる企業やサイトと提携をすることで、安心して商品発送を任せられるだけでなく、顧客満足度の維持にもつながります。一方で、商品の品質や配送日数、カスタマーサポートなど、自社の希望に合ったアパレルサプライヤーを選ぶのは簡単ではありません。
矢野経済研究所によると、2023年の日本国内のアパレル小売市場規模は前年比103.7%の8兆3,564億円に上っており、2025年にはコロナ禍前の市場規模と同程度の水準まで回復すると予想されています。世界市場でも、2028年までに2兆ドル(約310兆円)に達すると見込まれており、アパレル業界への参入に注目が集まっています。
この記事では、アパレル・ファッションに特化した卸売業者のうち、ドロップシッピングに対応しているサプライヤーをご紹介します。また、アパレルドロップシッピングを始める方法についても説明しています。ECサイトを開設したい方や、無在庫で衣料品を売りたい方は必見です。
ドロップシッピング対応のアパレルサプライヤーを選ぶ際のポイント

サプライヤー選びは、ドロップシッピングにおいてビジネス成功の鍵とも言える重要な選択です。商品の卸だけでなく、梱包や配送も担うため、顧客満足度にも直結します。適切なサプライヤーを選ぶ際のポイントを見ていきましょう。
- 費用:ドロップシッピング手数料の他に、サブスクリプション等の費用がかかるかを確認します。
- 商品の品質:品質に信頼のおけるブランドの商品を取り扱っているか、商品の製造元はどの企業かを調べます。また、サンプルを注文して品質を確かめられるかも重要です。
- 配送期間:配送にかかる日数を確認します。また、EC物流においては、倉庫の位置が配送日数を左右するため、倉庫の位置を知っておくことも重要です。
- レビュー:ドロップシッパーからのレビューをよく読むことで、サプライヤーの強みや弱みを知ることができます。取引する上で気を付けるべき点を探ることにもつながります。
- 返品ポリシー:返品・交換の条件や返送料負担、返品受付期間などの返品ポリシーを確認しましょう。消費者やECサイト運営者が安心して利用できる内容になっているかをチェックします。
- カスタマーサービス:問い合わせへの対応の速さやコミュニケーションの円滑さといったカスタマーサービスの質も重要なポイントです。
- 商品ラインナップ:商品数は豊富か、定期的な新商品の入荷はあるかを知っておきましょう。
- 在庫管理:適切な在庫管理が行われているかを確認します。ECサイトに掲載している商品が在庫切れになってしまうと、顧客からの信用が損なわれる可能性があります。
2025年おすすめのドロップシッピング対応のアパレルサプライヤー12選
1. Printful(プリントフル)

Shopifyアプリ:あり
会費:無料
主な特徴:
- Shopify利用者から高評価
- オンデマンド印刷に対応
- 複数の国に、商品の梱包と発送を行うフルフィルメント倉庫あり
- ブランドタグを追加したり、ステッカーや割引クーポンなどのノベルティを商品に同封したりでき、ブランド向けにカスタマイズが可能
2. POPCUSTOMS(ポップカスタムズ)

Shopifyアプリ:あり
会費:無料
主な特徴:
- 作成したデザインを360度好きな角度から確認できる3Dデザインメーカーが無料で使える
- 配送は複数の運送会社から選べる
- 靴やバッグなどの小物も充実している
3. Alibaba(アリババ)

Shopifyアプリ:あり
会費:無料
主な特徴:
- 豊富な商品数
- 低価格な商品が多い
- サプライヤーと交渉できる
4. CONTRADO(コントラード)

Shopifyアプリ:あり
会費:無料
主な特徴:
- オリジナルデザインのテキスタイルが作れる
- サステナビリティーを重視している
- 事業者からの評価が高い
5. AliExpress(アリエクスプレス)

Shopifyアプリ:あり(英語)
会費:無料
主な特徴:
- 豊富な商品ラインナップ
- サプライヤーのレビューとフィードバックのデータあり
- 国際eパケットによる海外への迅速な発送
6. paintory(ペイントリー)

Shopifyアプリ:あり
会費:無料
主な特徴:
- 洋服の形状が豊富で品質も高く、オリジナルブランド立ち上げに適している
- 事業者側が価格を自由に設定できる
- オリジナルネームタグをつけられる
7. Gelato(ジェラート)

Shopifyアプリ:あり(英語)
会費:無料
主な特徴:
- 世界32カ国で現地生産を行っている
- サポートは24時間年中無休
- 前面だけでなく、背面や袖への加工ができ、刺繍にも対応している
8. オリジナルプリント.jp

Shopifyアプリ:あり
会費:無料
主な特徴:
- 無料デザインツールが使える
- 当日出荷対象の商品がある
- 国内生産拠点が25拠点ある
9. NETSEA(ネッシー)

Shopifyアプリ:なし
会費:無料
主な特徴:
- 品揃えが豊富
- セールやクーポンがある
- ドロップシッピング可能商品には「消費者直送〇」の記載があり、わかりやすい
- 日本語でのサポートが受けられる
10. TopSeller(トップセラー)

Shopifyアプリ:なし
会費:無料。取扱商品数に応じてさまざまな月額料金プランあり
主な特徴:
- 利用実績多数
- 商品数約30万点(2025年6月時点)
11. 卸の達人

Shopifyアプリ:なし
会費:無料
主な特徴:
- 話題の商品や売れ筋商品のランキングがあり、商品選びの参考になる
- ドロップシッピング可能商品には「直送サービス」の記載があり、わかりやすい
12. SUPER DELIVERY(スーパーデリバリー)

Shopifyアプリ:なし
会費:無料、有料プランあり
主な特徴:
- 注目キーワードや新規出展企業、注目ブランドなどの特集が組まれていて商品選びに役立つ
- 豊富な商品数
- 国内外のブランド商品も扱っている
ドロップシッピングでアパレルビジネスを始める方法

1. 市場調査を行う
需要のある商品を取り扱うには、市場調査が必須です。需要のない商品を取り扱っても、売上は見込めません。そのため、売上を伸ばすには、今後の成長が見込める商品カテゴリを取り扱うことが重要となります。市場調査には主に以下の2つの方法があります。
- 一次市場調査:買い物客に興味のある商品を尋ねたり、アンケートを実施したり、サイトのフィードバックフォームを活用したりして、潜在顧客の規模やニーズを把握します。
- 二次市場調査:競合他社の売上、ソーシャルメディアからのインサイト、分析ツールなどのデータを掘り下げて、潜在顧客の規模を予測します。
2. 商品を選ぶ
ネットショップで取り扱う商品を選びます。自社のブランドイメージに合った商品を選びましょう。また、競合分析やGoogleトレンドでのリサーチなどを組み合わせることで、顧客ニーズや市場のニーズに合った商品を見つけることができます。さらに、以下のようなアパレルのニッチ市場に特化すると、ファンやリピーターを獲得しやすくなります。
- ヴィーガンファッション
- ベビー服
- ペットウェア
- プラスサイズや小柄サイズ
3. 利益率を計算する
利益率は、売上に占める利益の割合のことで、以下の計算式で算出できます。
([純売上高 - 費用] / 純売上高)x 100 = 利益率
商品の製造コストが高い商品を安く販売している場合、利益率は低くなります。逆に、安く製造して高く販売している場合には利益率は高くなります。目標となる利益率を設定し、そこから逆算しましょう。
4. ブランドの強みをアピールする
ドロップシッピングで成功するには、ブランドの強みをアピールする必要があります。サステナブルな取り組みを行っている企業の商品を主軸に据えたり、サイトのデザインや利便性に注力したりといった方法があります。自社のブランディングに沿って、以下の点において一貫した取り組みを行うことが大切です。
- ウェブサイトのデザイン
- 使用するキャッチコピーや言葉遣い
- 商品のマーケティング
5. 商品の季節性を考慮する
ファッションアイテムは、季節によって売上が変化する商品が多く、ドロップシッピングで売上を伸ばすには、取扱商品の季節性を考慮する必要があります。例えば、アパレルECサイトで冬用スカーフを販売している場合、夏にはどのようにアプローチを行うのか、逆にビキニを販売している場合は、冬に安定した利益を上げ続けるためにはどうすればよいのか、といったことを検討しましょう。
6. 集客力を上げる戦略を練る
ネットショップの集客力を上げることで、商品を閲覧してくれる顧客を増やすことができ、認知度向上や売上アップにもつながります。集客力を上げるには、以下のような方法があります。
- SNS広告を配信する
- 初回購入者限定割引を行う
- 紹介者特典を提供する
- PPC(クリック課金型)広告キャンペーンを実施する
- メールマーケティングを行う
どの方法を活用して集客を行うかは、ターゲット層や販売する商品によって異なります。競合他社がどのような戦略を取っているかを調査することで、有効な方法を知ることもできますので、ぜひ取り組んでみてください。
まとめ
ドロップシッピング対応のアパレルサプライヤーを選ぶ際は、費用や商品の品質、配送日数、商品ラインナップなどの情報を事前に調べ、把握しておく必要があります。また、返品ポリシーやカスタマーサービスについても確認しておけば、顧客とのトラブルの際にも迅速に対応ができ、信頼獲得にもつながるでしょう。
ドロップシッピング対応のアパレルサプライヤーには、Shopifyアプリがあるものから会費が無料なもの、商品カタログが豊富なものなどさまざまなものがあり、それぞれの強みが異なります。プリントオンデマンドサービスを提供しているサプライヤーもあるため、ドロップシッピングでアパレルブランドを立ち上げることも可能です。
ネットショップ開業を検討している人は、服やファッション小物といったアパレルのドロップシッピングでショップ運営に挑戦してみてはいかがでしょうか。Shopifyなら無料体験期間があるだけでなく、ECサイト開設やドロップシッピングビジネスに必要な機能がすべて備わっています。初心者でも安心してアパレル販売サイトを制作、運営できますので、ぜひご活用ください。
ドロップシッピング対応のアパレルサプライヤーに関するよくある質問
アパレルのドロップシッピングビジネスとは?
アパレルのドロップシッピングビジネスとは、商品の保管と梱包、発送を管理する外部の業者を通じて服やファッション小物を販売することを指します。商品の保管や在庫管理が必要ないため、少ないコストでビジネスを運営できます。注文が入ると、その情報はサプライヤーに送信され、サプライヤーによって処理されます。
アパレルのドロップシッピングは儲かる?
アパレルのドロップシッピングは、低コストで始められるビジネスのため、ブランディングやマーケティング戦略を練ることで収益を上げることができます。
ドロップシッピングでアパレルビジネスを始める方法は?
- 市場調査を行う
- 商品を選ぶ
- 利益率を計算する
- ブランドの強みをアピールする
- 商品の季節性を考慮する
- 集客力を上げる戦略を練る
文:Masumi Murakami