メイクやスキンケアが好きで、「自分のコスメブランドをつくりたい」「スキンケアブランドの立ち上げに挑戦したい」と思ったことはありませんか。最近は、化粧品のネット通販も広がっており、個人でもブランドを持つことが身近になっています。とはいえ、いざ始めようとすると、どんな準備が必要か、法律は大丈夫かなど、不安に感じる人も多いはずです。特にコスメは、人の肌に直接使う商品だからこそ、安全性や信頼性が求められます。
この記事では、コスメ・化粧品をECで販売するために必要なステップや費用、注意点などを解説します。成功させるためのヒントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
コスメ販売を始める5つのステップ

1. ターゲット選定と市場調査
まず、ターゲット選定と市場調査を通して、どんな人に、なぜ、どんなコスメを届けたいのかを明確にしていきます。
どんな人に売りたいか考える
ターゲットを絞るほど、ファンがつきやすく、ブランドの世界観も作りやすくなります。次のように具体的に設定するよう心がけましょう。
- 敏感肌の人
- ナチュラル志向の人
- ヴィーガンなど動物実験不実施を信条とする人
- メンズメイク初心者
- 海外コスメ好き
- 30代後半からのエイジングケア層
なぜその商品を売るか考える
なぜそのコスメを売りたいかという動機を言語化しておくことも重要です。動機はブランドストーリーになり、顧客に「自分のための商品だ」と思ってもらうきっかけになります。次の例のように、その商品の販売を通じて何を成し遂げたいのかを考えてみましょう。
- 肌トラブルに寄り添いたい:敏感肌で困った経験がある人に、安心して使えるスキンケアを届けたい
- 自信を持つきっかけづくり:メイクで新しい自分に出会う楽しさを知ってほしい
- 環境への配慮を伝えたい:動物や地球にやさしいコスメを広めたい
どういう商品を届けるの考える
ターゲットと動機を明確にできたら、それらを基にどんな商品を作るのかを考えます。このとき、最新のトレンドや、まだ市場に少ないニッチなアイデアをヒントにしてみましょう。
トレンド調査をする
化粧品はトレンドの移り変わりが早い業界です。SNSやコスメ系メディアをチェックして、今どんな商品やテーマが注目されているかを調べましょう。カラー、成分、テクスチャー、使用シーンなど、いろいろな切り口からトレンドが生まれます。次のような方法で、情報収集をしてみましょう。
- Instagram(インスタグラム)やTikTok(ティックトック)の人気ハッシュタグ
- @cosme(アットコスメ)の口コミ
- YouTube(ユーチューブ)のレビュー動画
- Googleトレンドで検索ワードチェック
ニッチなアイデアを探す
大手ブランドが手を出しにくいニッチ市場を狙うのも効果的です。需要のあるニッチ商品を取り扱うことで、大手企業との競争を避けながら事業拡大を狙えるほか、競合他社との差別化を図ることができます。ニッチ商品のアイデアには次のようなものがあります。
- ジェンダーレスコスメ
- オーガニック・サステナブル系
- 香りやテクスチャー特化型
2. ビジネスモデルを選ぶ
ターゲットや、どんな商品を扱うかを決めたら、次はどんな方法で商品を用意するかを考えます。商品を用意する方法は主に仕入れ販売、OEM(ホワイトラベル)、ODM、自社製造の4つです。それぞれの特徴を理解し、自分に合ったビジネスモデルを選びましょう。
仕入れ販売
仕入れ販売は、すでに完成されたブランドやコスメ商品を仕入れて販売する方法です。セレクトショップ型として、初心者でも比較的始めやすく、海外ブランドや日本未上陸の商品を扱えば他店との差別化もしやすくなります。製造を行わず、スピーディーに販売をスタートできるのが大きな魅力です。
国内の正規流通品を仕入れて販売する場合は、特別な許認可は不要です。たとえば、国内の問屋や卸業者から日本向けに正規流通している化粧品を仕入れて、そのままECサイトで販売する場合は、許可なしで始められます。
一方、海外ブランドのコスメを個人や海外業者から直接仕入れて、日本国内で販売する場合は、法律上、化粧品製造販売業許可が必要です。また、海外から輸入する際は、関税や、厚生労働省の輸入規制を事前に確認しておく必要があります。必要に応じて専門の通関業者や輸入代行サービスを活用するのも安心です。
OEM
OEM(Original Equipment Manufacturing)は、企画や設計した商品の製造を、専門のメーカーに依頼し、自分のブランド名をつけて販売する方法です。依頼者側は原材料などの処方をつくり、メーカーは製造だけを行います。
OEMの製品には、ホワイトラベル製品とも呼ばれる完成した商品もあります。ホワイトラベルは、すでに完成している製品に、自社のブランドラベルを貼って販売する仕組みです。そのため、開発や製造の手間やコストを大幅に削減できるのが大きなメリットです。製造工程はすべてプロに任せることができるため、自社はデザインやブランディング、販売活動に集中できます。最低ロットが小さい業者も多く、初めてコスメブランドやスキンケアブランドを立ち上げる際にも適しています。たとえば、季節ごとにテーマを変えたり、数量限定で商品ラインを広げたい場合にも、ホワイトラベル製品は柔軟に活用できます。スピード感を持って新商品を投入できることから、SNSマーケティングとの相性も良く、話題性づくりにも役立ちます。
ネットショップなどを通じて一般の顧客に販売する場合、販売するための許可である化粧品製造販売業許可が必要です。製造を外部に任せても、販売者としての責任は自社が負います。
ODM
ODM(Original Design Manufacturering)は、商品の企画・設計から製造までを一括して依頼できる方法です。ブランドイメージやコンセプトを伝えて、処方設計や成分選び、テクスチャーや香りの開発などを専門のメーカーに任せることができます。ゼロからオリジナルの商品を作りたい場合に適しています。
企画・設計から依頼するため、OEMと比較して初期費用や開発期間がかかるものの、ブランド独自の世界観や差別化を実現できます。最近では小ロットから対応してくれるODMメーカーも増え、個人やスモールビジネスでも選択しやすくなっています。たとえば次のようなケースに向いています。
- 他にはない独自商品を作りたい
- 特定の成分や処方にこだわりたい
- 開発ノウハウがなく、プロに企画から任せたい
製造はODMメーカーが行うため化粧品製造業許可は必要ありませんが、販売者としての化粧品製造販売業許可は必要です。
自社製造
自社の工場などでコスメを作る方法です。スキンケアやリップ、バスソルトなど、比較的シンプルなアイテムから始めやすく、材料やレシピにこだわった完全オリジナルの商品を生み出すことができます。独自性の高い商品を作りたい方や、世界観やブランドストーリーを重視したい方に向いています。
ネットショップなどを通じて一般の顧客に販売する場合、製造するための許可である化粧品製造業許可と、販売するための許可である化粧品製造販売業許可を取得する必要があります。化粧品製造業許可の取得は、次のような要件を満たすことが求められます。
- 専用の製造場所(台所やリビングは不可)
- 専用の設備
- 衛生管理体制
- 品質管理や製造管理の責任者の設置
3. ブランドガイドラインを作る
コスメは、商品そのものだけでなく、ブランドの世界観やストーリーが選ばれる理由になることが多いジャンルです。どんな想いを持って、何をどんな人に届けたいのかをしっかりと言語化してブランドガイドラインを作ることで、顧客に対して一貫したブランドコミュニケーションを図ることができ、顧客からの共感を集めることができます。
ブランド構築にあたり、次の点を固めておきましょう。
- ブランド名とロゴ:ターゲット層に響く名前と、印象に残るロゴを作りましょう。可愛い、高級感、ナチュラル、シンプルなど、目指すイメージに合わせてデザインします。
- ブランドコンセプト:「肌にやさしい」「自分らしく輝く」「地球にやさしい」など、届けたい価値を言葉にして、ブランドの軸を固めましょう。
- ブランドボイス(言葉遣い):ブランドがどんな声で語りかけるかを決めましょう。たとえば、「親しみやすく、やさしい言葉で語る」「高級感のある上品な口調で語る」など、顧客に与えたい印象に合わせて選びます。
- ブランドストーリー:なぜこの商品を作ったのか、どんな悩みを解決したいのかなどを伝えることで、顧客の共感を獲得し、ファンをつくることにつながります。
- カラーやフォント(ビジュアルイメージ):目指すイメージに合わせて、ブランドで使用する色やフォントも決めておきましょう。視覚的な統一感を持たせることで、ブランドの印象がぐっと強まります。
- パッケージ:コスメは見た目も重要です。商品のデザインや色合い、素材などにもこだわり、ブランドの世界観を表現しましょう。
ブランドの世界観が一貫していると、オンラインストアやSNS、広告、パッケージまで、すべてがつながり、顧客に深く印象づけることができます。
4. オンラインストアを開設する
ブランドの世界観が固まったら、次はオンラインストアの開設に進みましょう。化粧品販売はネットを活用することで、初期費用を抑えながら幅広い顧客にアプローチすることが可能です。
コスメを売るなら、見た目や世界観も重視されるので、独自のECサイトをもつことをおすすめします。最近では、誰でも手軽にネットショップを作れるShopify(ショッピファイ)のようなネットショップ作成サービスが増えています。このようなサービスを利用すると、好きなようにカスタマイズして、コスメブランドの雰囲気に合わせたショップを作ることができます。豊富なアプリが用意されているので、サイトに合わせた機能を追加することも可能です。
- ストア名・URLを決める:ブランド名に合わせて、覚えやすく、検索しやすい名前やURLに決めましょう。
- ショップデザインを整える:ブランドで決めたカラーやフォント、雰囲気に合わせて、ショップ全体のデザインを統一します。Shopifyなら、こうしたカスタマイズも直感的にできるので、デザインに自信がない方でも安心です。
- 商品ページを作る:商品の魅力が伝わるような写真を用意し、説明文を丁寧に作り込みます。コスメの場合は、高品質な商品写真とともに、成分や使用方法、香りやテクスチャーの特徴もわかりやすく伝えることが大切です。
- 決済方法・配送方法を整える:クレジットカード、コンビニ決済、あと払いなど、顧客のニーズに合った決済方法を用意しましょう。配送方法や送料も事前に決めておきます。
5. 販売促進
オンラインストアを公開したら、まずはブランドや商品を知ってもらうことが大切です。コスメのネット販売は、ただ商品を並べるだけではなかなか見つけてもらえません。効果的な販売促進を行い、ブランドのファンや購入者を少しずつ増やしていきましょう。
SNSを活用する
インスタなど、ビジュアルを重視したSNSは、コスメ販売と非常に相性がいいことで知られています。商品の写真だけでなく、使い方や仕上がり、こだわりのポイントなども発信することで、世界観を伝えやすくなります。アカウントを開設し、ブランドの存在を知ってもらうきっかけを増やしましょう。
また、インフルエンサーとコラボレーションするなど、インフルエンサーマーケティングを展開することも効果的です。SNSで影響力のあるインフルエンサーに自社製品を紹介してもらうことで、ブランドの認知度や信頼度を高め、短期間で集客や売上アップにつなげることができます。ターゲット層に合ったインフルエンサーを探し、依頼することが成功のポイントです。
キャンペーンや限定販売を行う
期間限定のセールや送料無料キャンペーン、季節限定カラーの販売などは、購買意欲を高めるのに適した方法です。コスメは「新作」「限定」という言葉に反応しやすいため、積極的に活用してみましょう。
顧客が実際に商品を試せるように、化粧品サンプルをECサイトで配布するといったキャンペーンも効果的です。
顧客対応・リピーターづくり
販売後の問い合わせ対応やアフターフォローも大切です。丁寧で親しみやすい対応は、ブランドへの信頼やリピート購入につながります。リピーター向けの特典や会員制度を取り入れることで、安定した売上を目指すことができます。
コスメ販売を成功させるためのヒント

在庫管理を徹底する
コスメは色や種類が多いため、在庫管理が煩雑になりがちです。売り切れによる機会損失や、過剰在庫によるロスを防ぐには、販売の動きを見ながら柔軟に在庫数を調整することが重要です。たとえば、次の方法を試してみましょう。
- 小ロットからスタートし、売れ行きに応じて在庫を増やす
- 売れ筋や季節性を分析し、仕入れや製造のタイミングを見直す
また、賞味期限や使用期限がある商品は管理に注意し、使用期限に十分に余裕のある状態で販売するようにしましょう。
カスタマーサービスで顧客体験を高める
商品を届けた後も、丁寧なコミュニケーションを続けることで、顧客満足度が高まり、リピートや口コミにつながります。たとえば、購入後のお礼メールや、発送完了のお知らせを送るといった心配りをすることは、顧客の安心感につながります。ブランドの世界観に合わせて、言葉づかいやトーンを統一することで、より深い印象を与えることもできます。
また、コスメならではの問い合わせに対しては、特に、誠実で丁寧な対応が求められます。色味や香り、成分の詳細など、商品の特徴に関する不安には、できる限り具体的でわかりやすい回答を心がけましょう。
さらに、返品や交換に関するルールも、あらかじめ明確に伝えておくことが大切です。コスメは衛生商品のため、「未開封のみ返品可」「お肌に合わない場合の返品は不可」など、返品ポリシーをしっかり明記しておきましょう。曖昧な表記はトラブルのもとになるので、FAQや利用規約ページにわかりやすくまとめておくのがおすすめです。
コンテンツマーケティングでブランド価値を高める
コスメ販売のマーケティングにおいて効果的な戦略のひとつが、コンテンツマーケティングです。コンテンツマーケティングは、潜在顧客を引き寄せるだけでなく、ブランドの魅力や専門性を伝える手段にもなります。役立つ情報を届けるブランドという印象を持ってもらえれば、最終的にはリピーターやファンを獲得することができます。
次のような方法を活用して、効果的にブランドや商品をアピールしましょう。
- 製品の開封動画をYouTubeやTikTokで発信し、ブランドの認知度を高める
- ブログでスキンケアの知識や最新トレンドを紹介する
- 他社製品のレビューを発信しながら、自然に自社製品の魅力も伝える
- 無料でダウンロードできる美容ガイドとして、ニュースレターを発信する
口コミやレビューを活用する
コスメは利用者の声が大きな影響力を持つジャンルです。商品のレビューやSNSでのシェアを促す仕組みを作り、UGC(ユーザー発信のコンテンツ)を集めて活用しましょう。
購入者にレビュー投稿をお願いしたり、SNSでの投稿をしてくれた方に割引やプレゼントを提供するといったキャンペーンも効果的です。実際に使用した顧客の声をSNSで引用やリポストして紹介するのもいいでしょう。
コスメ販売の注意点

許認可を取得・更新する
化粧品の製造には化粧品製造業許可、販売には化粧品製造販売業許可を取得する必要があります。これらの許可を取得するには、時間と費用がかかるため、あらかじめ準備しておくことが大切です。地域によって費用や必要な手続きが異なるため、各都道府県の薬務課に問い合わせて確認しておきましょう。
取得にかかる費用の目安は次のとおりです。
- 化粧品製造業許可の申請手数料:約3〜4万円
- 化粧品製造販売業許可の申請手数料:約6〜9万円
- 行政書士など専門家に依頼する場合の代行費用:約15万円〜30万円
製造・販売どちらの場合も5年ごとに許可の更新が必要になり、その際も手数料がかかります。また、許可を取得したあと、実際に販売を開始する前には化粧品製造販売届を各都道府県の薬務課に提出する必要があります。この届出には費用はかかりません。
適切な成分表示を行う
日本では、2001年からすべての化粧品に対して、全成分の表示が義務付けられています。国内で販売する化粧品は、すべての成分名を配合量の多い順にパッケージや容器に表示する必要があります。ネットショップなどで販売する場合も、商品ページに成分情報を明記しておくと、顧客が安心して商品を選択することができます。
OEMやODMなどでメーカーに製造を依頼する場合は、一般的にメーカー側で適切な表示を行ってくれますが、最終的な法令遵守の責任はブランド運営者自身にあります。特に自社製造の場合は、しっかりとルールを理解し、必要に応じて専門家や弁護士に相談しましょう。
薬機法を遵守する
コスメを販売する際には、薬機法(旧薬事法)に基づき、広告や商品説明での表現にも十分な注意が必要です。商品の効果や効能についての断定的な表現や根拠のない表現、誇張表現は法律違反になる可能性があります。
以下のような表現はNGなので、使用は避けましょう。
- 塗るだけで肌が若返る
- シミが減る
- ニキビが治る
- 他社製品の3倍の効果
- 完全に無害
特にスキンケアや美容系の表現は、意図せず「医薬品的な効果」を連想させてしまうことがあります。自信がない場合は、薬機法に詳しいライターや専門家のチェックを受けることも検討しましょう。
パッチテストを案内する
どんなに安全性にこだわった商品でも、すべての顧客に必ず合うとは限りません。肌質や体調によっては、赤みやかぶれなどのトラブルが起こることもあります。そのため、商品ページやパッケージに、「使用前に目立たない部分でのパッチテストをおすすめします」という案内を添えることをおすすめします。このような一言があることで、顧客の安心感が高まるほか、トラブルを未然に防ぐことににつながります。
化粧品の越境EC
越境ECで、日本の化粧品を海外に向けて販売する場合は、販売先の国ごとの規制にも注意が必要です。国によって、成分の使用制限、パッケージ表示、広告表現、通関ルールなどが異なります。特に、化粧品の成分名や含有量、効果効能の表現は、各国で細かく定められています。販売が禁止されている成分が含まれている場合や、表現が法律に抵触する場合もあるため、事前にしっかり調査し、必要に応じて現地の専門家や輸出入のプロフェッショナルに相談しましょう。
まとめ
コスメ・化粧品のEC販売は、個人でも始めやすく、しっかりと準備すれば着実にブランドを育てていけるビジネスです。自分のブランドの想いや価値をしっかりと形にし、法律や安全面を守りながら信頼を積み重ねていくことが、コスメ・化粧品販売を成功に導く鍵となります。小さく始めて、改善を重ねながら少しずつブランドを成長させていきましょう。
よくある質問
コスメ・化粧品のネット販売に必要な許可は何ですか?
- 国内の正規品を仕入れて販売する場合:許可は不要
- OEM(ホワイトラベル)の場合:化粧品製造販売業許可
- ODMの場合:化粧品製造販売業許可
- 自社製造の場合:化粧品製造業許可、化粧品製造販売業許可
コスメ・化粧品のパッケージに成分表示をする必要はある?
日本では、すべての化粧品に全成分を表示することが義務付けられています。商品パッケージやオンラインショップの商品ページにも、全成分を配合量順に正確に表示しましょう。 ホワイトラベルの場合も、最終的な責任は販売者側にあるため、内容をしっかり確認しておくことが大切です。
ODMとOEMの違いとは?
ODMでは商品の企画・設計から製造までを一貫して委託するのに対し、OEMは製造のみを委託します。
OEM(ホワイトラベル)は、メーカー側が製造した商品に、自社のブランド名やパッケージデザインを付けて販売する方法です。自社による製造の手間が省けるため、コストを抑えてスピーディーに自社ブランドを立ち上げたい方に向いています。
一方、ODMは、商品の設計や処方の段階からメーカーと共同で開発する方法です。たとえば、成分や香り、テクスチャーなどをゼロから作り上げることができるため、他にはない独自のコスメを作りたい場合に適しています。ただし、開発コストや時間はOEMよりも大きくなります。
コスメ・化粧品のネット販売を始めるにはいくらかかる?
- 仕入れ販売の場合:仕入れ費用とネットショップの開設費用のみ
- OEM(ホワイトラベル)の場合:仕入れ費用は、化粧水100本のOEMなら10万円〜20万円程度が目安。その他、化粧品製造販売業許可の申請手数料6〜9万円、ネットショップの開設費用など
- ODMの場合:仕入れ費用の幅は広く、OEMよりも高額。その他、化粧品製造販売業許可の申請手数料6〜9万円、ネットショップの開設費用など
- 自社製造の場合:化粧品製造業許可を取得するのに必要な人員、設備、材料費などがかかり、最も高額。その他化粧品製造業許可の申請手数料3〜4万円、化粧品製造販売業許可の申請手数料約6〜9万円、ネットショップの開設費用など
化粧品を雑貨として販売することはできる?
手作り石鹸、アロマオイル、バスソルトなど、一部の化粧品は、化粧品としての効能や効果を一切うたわないことを条件に、「雑貨」として販売することが可能です。雑貨扱いの場合、化粧品製造業許可や化粧品製造販売業許可は不要なので、比較的気軽に販売をスタートすることができます。
ただし、使用目的やパッケージ、商品説明によっては、法律上「化粧品」とみなされる可能性があるため注意が必要です。
文:Taeko Adachi イラスト:Pete Ryan